行政対象暴力の現状と対策
暴力団等(暴力団、暴力団員、準構成員、総会屋等及び社会運動等標ぼうゴロをいう。)又は右翼が、不正な利益を得る目的で、国や地方公共団体等の行政機関又はその職員を対象として行う違法又は不当な行為を「行政対象暴力」と呼んでいます。
行政対象暴力の形態には、行政機関の持つ権限を行使を要求する「権限行使要求型」と名目の如何を問わず、行政機関又はその職員に金品を要求する「金品要求型」があります。
両形態とも、暴力団等の有力な資金源の一つとなるばかりでなく、公平公正であるべき行政の権限行使を歪めるものであり、これに応じてしまうと、県民の行政への信頼を大きく損ねてしまいます。
2023年における暴力団構成員等及び総会屋による行政対象暴力事犯の検挙件数は、234件となっています。
依然として暴力団構成員等が、行政に対して不当な要求を行っている実態がうかがえます。
権限行使要求型とは
暴力団関係企業を公共工事の下請業者とするために、元請業者に対する行政機関の指導監督権限を不当に行使させようとするなど、行政機関の有する許認可・指導監督・公金支給等の権限を自己又は第三者の有益となるように行使することを要求するもの。
金品要求型とは
機関誌(紙)の購読、図書、物品等の購入など、名目の如何を問わず、行政機関又はその職員に金品の提供を要求するもの。
関係機関との連携
行政対象暴力には、組織で対応していくことが基本です。
現在、行政機関では、組織的に行政対象暴力に対処するための仕組みが整備されるとともに、警察、暴追センター、弁護士会等の関係機関との連携に努めています。
コンプライアンス条例・要綱等の整備
行政対象暴力に適切に対応するため、コンプライアンス条例や、要綱等が整備され、不当要求防止対策委員会等の組織の設置が進められています。
全国の地方公共団体では、暴力団等の不当要求等に対して組織的な対応を規定する、いわゆるコンプライアンス(法令遵守)条例・要綱等の制定が進められ、2012年末までに全国の地方公共団体で制定されました。
行政対象暴力を排除するためのチェックリスト
あなたの職場ではどうですか? 担当者がひとりで悩んでいませんか?
あなたの職場では、暴力団からの不当要求を未然に防止したり、不当要求を受けた場合に的確な対応ができる対策がとられていますか?
下記項目をチェックして、不備な点がある場合は、早急に対策を検討しましょう。
- □ 「不当要求には絶対に応じない」という方針が組織内に確率している
- □ 不当要求を受けた場合の対応マニュアル等が定められている。
- □ 不当な要求を受けた場合は、上司に報告することになっている。
- □ 組織的に対応するため、不当要求防止対策委員会が設置されている。
- □ 警察・弁護士会・暴力追放センターとの連絡通報体制が出来ている。
- □ 関係機関との連携システムが整備されている。
- □ あらゆる契約について暴力団排除条項が導入されている。
- □ 助成金・補助金等交付制度に暴力団排除対策の取組みがされている。
- □ 不当要求防止責任者が選任されている。
- □ 窓口・応接室等に不当要求防止責任者講習の受講修了証や暴力追放ポスターが掲示されている。
- □ 暴力団等の活動状況・不当要求の実態と対応要領についての研修会等が開催されている。